少し経験ありのお子さんへ
♪家での練習方法がわからない…
お子さんって、最初から最後まで通して弾くことが大好きですよね。(いつも間違う箇所を指して)途中から弾いてみたら?と声をかけても、「それじゃ弾いた気がしない」と言われたり…。
「練習してくれているのは嬉しいけど、こんな調子で本当に上手くなるのかしら…?」と、見守るお母さんも大変ですよね^^;
最初から最後まで通して弾きたい、というお子さんの気持ちはわからなくもありませんが、ご想像通りこの練習だと、一曲仕上がるまでに、ものすごく時間がかかってしまいます。
何が出来ていないのかを自覚してもらい、部分的に取り出して練習することの大切さを、レッスンではお伝えしています。
レッスンで何度かやっているうちにクリア出来ることもありますし、ご家庭とレッスンで繰り返し取り組んでいくことで、解決できる場合もあります。
お子さんが取り組みやすいように、レッスン内で具体的な練習方法をしっかりお伝えし、おうちでも復習出来るようにアドバイスいたします。
♪譜読みが苦手です…
習い始めたばかりの頃は、当然楽譜は読めませんので、先生のマネをして弾くところからスタートします。
子どものピアノスキルUPには、大きく分けて2つの力を育てていくことが大切です。
【演奏力】 【読譜力】この2つの力をバランスよく身につけていくことが重要となります。
演奏力とは=テクニックと表現力
・音やリズムを正しく弾ける
・曲にふさわしいテンポで弾ける
・右手と左手(メロディーと伴奏)のバランスが良い
・レガート(なめらかにつなげて弾く)やスタッカート(音を切って弾く)などの奏法や強弱など、細かいニュアンスを表現できる
読譜力とは=楽譜に書かれている情報を、正確に読む力
・音の高さ
・音の長さ→リズム
・指番号
・スラーやスタッカート、など、表情に大切な記号
・音の強弱
・#♭など
・和音
よくあるケースとしては、幼少期に【演奏力】を伸ばす練習に偏ってしまい、「わーい、1曲弾けた~!」で先に進んでしまうと、ちょっとレベルが上がった曲(楽譜を読む力が求められる曲)になった時に、嫌になって辞めてしまう、もしくはなかなか上達しない、ということがあげられます。
例えば、小学3~4年生頃にブルクミュラー(子どものピアノ曲集の定番)が始まり、やっとピアノらしい様々な表情の曲に取り掛かれるタイミングになったのに、楽譜と仲良くなれなくて、結果ピアノを辞めてしまう…ということは、よく聞きます。。。
ですから、譜読みに対して苦手意識を持つ前に、早いうちから楽譜に興味を持たせるレッスンをしています。
【読譜力】が身に付かないままレッスンを離れてしまうと、もし大人になってまたピアノを弾きたいと思った時に、過去に習った曲しか弾けません。
ですが【読譜力】があれば、子どもの時には出会えなかった曲、今の気分に寄り添ってくれる曲を弾くことが出来るんです。そうやって長く音楽を楽しんで欲しい、その土台作りをしっかりしていきたいと思っています。
私にも小1の息子がおりますが、ひらがなの読み書きが出来るようになる過程と、【読譜力】をつける方法、とてもよく似ているなと改めて思います。
はじめは一文字ずつ読み方・書き方を覚え、ある程度わかってきたら単語の読み書き。また慣れてきたら単語をつなげて文章へ。
音符も一緒です。
まずは単音→1小節ずつ→4小節つなげて→8小節…
確かに地道な努力は必要です。でもあきらめなければ、必ず読めるようになります。
ぜひご家庭でも励ましてあげてください。一緒にがんばりましょう!
ご家庭での練習のお悩みも、お気軽にご相談くださいね♪
♪音もリズムも合ってるけど、あまり上手に聴こえない…
楽譜制作ソフトなどでデモ演奏させると、こうなりますね。機械的で『表情』がないんです。
まずは曲にふさわしい、自然な強弱をつけるところから始めます。それだけでも、ずいぶん『表情』がつきますよ。
さらに、その曲は楽しそうな曲なのか、悲しそうな曲なのか、イメージをどんどんふくらませていきます。ここでどんなイメージが出てくるのかは弾き手によって違ってきます。
子どもの発想は本当におもしろくて、時に私の想像をはるかに超えてくれます(笑)。
あまりにも的外れな発想の場合には、軌道修正する方向でアドバイスしますが、せっかく出てきたイメージをできるだけ否定しないようにしながら、その子らしい『表現』になるようにもっていきます。
一方で、なかなかイメージが出てこない生徒さんもいます。でも決して、全く何の感情も持たずに弾いていることはないと思うんです。
その場合にはこちらから、こんな感じかな?それともあんな感じかな?と声かけをして、近いものを探りながら『表現』にチャレンジしていきます。
音楽には、算数のように明確な“正解”はありません。このところ、「これで合ってる?」と大人の顔色を伺ってくるお子さんが増えてきたように感じます。“正しい答え”を出さなくては!、大人に認めてもらいたい!、という意識が強いのでしょうか、『自分で感じる』『自分がどう思うか』という肝心なことが置き去りにされてしまっているようです。
音楽は感じるものですよね。
私が子どもの頃は、今よりもっと気軽に外に遊びに行って、自然を五感で感じる機会が多くあったように思います。木登り、虫捕り、草花遊びなどを通して、いろいろな感触を得たり、自然の音を聴いたり、そこから無意識でも様々なことを感じ取っていました。
私にも小学一年生になる息子がおりますが、私の子ども時代よりはそういった場面が減ってしまっているなと感じます。これも時代の流れだから仕方ない部分もあるかとは思います。
でもだからこそ、今の子ども達に『感じること』そして『自分が感じたことから、考えること』ができる環境を与えてあげたいと思うのです。
その一つの選択肢として、ピアノ、音楽、があると考えております。
上達を目指すことはもちろんですが、毎回のレッスンでお子さん自身が『感じる』『考える』『やってみる』をすることそのもの、そしてその積み重ねが大切です。
間違ってもいい、まずはやってみることが大事、というのもよくお伝えしています^^
音楽って聴くのも楽しいよね。
弾けるともっと楽しくなるよ。
こんなメッセージを届けたいと思いながら、日々レッスンしています。
ちょっと弾くことが楽しくなってきたら、さらにもう一歩踏み込んで『表現』してみませんか?
これからピアノを始めたい 6歳以下のお子さんへ
まずは『レッスン』という状況に慣れるところから始めましょう。
幼稚園や保育園で、先生のお話を聞く、という経験はしていると思いますが、先生と一対一で何かをする、という経験があるお子さんは少ないのではないでしょうか。
しばらくは、おうちの方も一緒にレッスン室に入っていただきますが、レッスンそのものは私と生徒さんとで進めてまいります。
子どもの集中力が長くは続かないこともよくわかりますので(私も小1男子の母です)、レッスンではいろいろなことを少しずつやっていきます。時には1曲を、レッスンの最初と最後に分けて扱うことがあるかもしれません。
弾くことに関しては、手の大きさや器用さ(5本の指をそれぞれ独立して動かせるかどうか)など、個人差の大きい時期ですので、生徒さんの様子を見ながら進めていきます。
はじめから手の形、指先の形などについて言いすぎてしまうと、弾くことが楽しくなくなってしまいますので、その辺りの話はもう少し先でも遅くないと考えております。
この時期は特に、耳の力(音感)が伸びる時期だと言われています。私の経験上でも、いろいろなメロディーを歌うこと、また歌いながら弾くことで、耳の力が伸びやすくなるように感じています。
歌うこと、声を出すことに抵抗のない(むしろ好きなお子さんも多い)この幼児期だからこそ、個人レッスンでもたくさん歌いましょう!
レッスン経験のない 小学校2~3年生のお子さんへ
何歳になっても、「ピアノを習ってみようかな」と思ってもらえることは、指導者として大変嬉しいことです。
ただ、小さい生徒さんと同じ方法、同じテキストからのスタートでは嫌になってしまいますよね。
小学生ともなると、幼児の生徒さんとは理解力がまるで違いますし、学校の授業で楽譜の読み方など勉強しているかもしれません。
解説なども書かれていて、おうちでの復習がしやすいテキストもありますので、ぜひご相談ください。
使用する楽器について
♪自宅での練習は、アコースティックピアノが必要ですか?電子ピアノじゃダメなの?
ピアノを習い始める時のハードルのひとつに、楽器の問題がありますね。
「ピアノを習わせたいけれど、いきなりアコースティックピアノは準備できないわ…」
長く続けられるかどうかもわからないのに、高額な楽器はちょっと…。そのお気持ち、よくわかります。
最初のうちは、ご家庭の楽器が電子ピアノでも十分レッスンできます。ただレッスンが進むにつれて、お子さんが「おうちではうまく弾けるのに、レッスンではおうちと同じように弾けない…。」なんて言い出すことがあるかもしれません。
電子ピアノとアコースティックピアノとでは、音の出る仕組みが全く違います。そのため、タッチ(鍵盤を弾いた時の指先の感覚)も全然違ってきます。その違いに気付いたということは、お子さんが上手になった証拠です。
ピアノという楽器は、誰が弾いても音の高さは同じ、「ド」は「ド」です。でも弾き方によって、さまざまな表情の「ド」を出すことが出来るんです。それにはタッチだけでなく手の形、腕の使い方なども関わってきます。
私も小学4年生の時、もっとピアノが上手になりたくて師事する先生を変えた時、「音が固い」と指摘されました。じっくり取り組んでいけば、少しずつ良くなりますと言われ、そんなものかなぁと思いながらレッスンを続けました。
一年ぐらい経って、とあるコンクールに出場した時、審査員の先生に「音がキラキラしていてきれいですね」とのコメントをいただき、とても驚き、そして嬉しかったのを覚えています。
より楽しくレッスンを続けるために、必要に応じて楽器をグレードアップしてあげる、というのも、一つの選択肢です。
それぞれのご家庭の環境もあるかと思いますので、楽器についてもご相談をしながら、一緒にお子さんの成長を見守っていけたらと思います。
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