お子さんのこんな様子に、悩んでいませんか?
・声をかけてもなかなかピアノに向かわない
・弾き方が雑/投げやり
・いつまでたっても教本が進まない(曲が変わらない)
・上手になっているように聴こえない
この記事では、そんな方へ私のおすすめの取り組み方や考え方を、過去の実例などもご紹介しながらお話ししていきますね♪
お母様が「うちの子、最近ピアノに対するモチベーションが下がってきているなぁ」とご心配されるということは、それだけお子さんの習い事に対して積極的に意識を向けてくださっているという証拠ですね。
これは講師としては、大変ありがたいことなんです。親御さんの関心がないことは、お子さんはやりたがりませんから^^
まだ辞めたくない!場合の対処法
ピアノの上達にはある程度時間がかかります。またレベルを目に見える形で数値化することも難しいですから、お子さんのモチベーションをキープするのは大変なことです。ご家庭でも手を替え品を替え、声をかけてくださっていることと思います。
そんな恵まれた環境でも、いつもやる気満々というワケにはいかないのが現実ですよね。自由な時間が欲しい時もあるでしょうし、お友達とトラブルがあってピアノに集中できない時もあるかもしれません(実際そんな生徒さんもいました)。また年齢が上がるにつれて、ピアノの他にもやりたいことが増えてきます。
『でもまだピアノは続けてほしい!』そんなご相談をいただいた時には、こんなことをご提案しています。
①ピアノの宿題を減らす
②弾きたい曲・憧れの曲(ポピュラー含む)に取り組んでみる
③レッスン内で練習する(たった30分でも、先生と練習すれば成果は上がる)
それでもダメなら、思い切って離れてみよう
こんな方法でしばらく様子をみていただいて、それでも状況が変わらず、見守るお母様の心が辛くなってしまったら、
ピアノのレッスンから一旦離れる
という選択があっても良いのではないでしょうか。
こんなことを、ピアノを教える立場の私が言うのもなんなんですが(笑)、レッスンを通じて何かしら得られるものはあったと思うんです。音楽的な側面だけでなく、他にも
・先生の話を聞く
・コツコツと根気よく練習する
・計画性をもって練習に取り組む
など、お子さんの成長にとって大切な力も、ピアノを習ったことで知らず知らずのうちに伸びているはずです。
もちろん、長くレッスンを続けてもらえるのが一番ですが、『ピアノなんか大っ嫌い!』というセリフが聞こえてくる前に距離を置いてみたら、こんなことがあるかもしれません。
レッスンを再開したYくん
Yくんが私のところにレッスンに来たのは、彼が高校2年生になったばかりの頃だったと思います。
聞けば、小学校低学年から中学1年生くらいまで、他の先生にピアノを習っていたそうで。ただ最後の方は、ゲーム音楽などを弾いて何とか気持ちをつないでいる状態だったようです。
しばらく楽器から離れていたものの、高校生活にも慣れ、「もう一度ピアノを弾いてみたい!」と思うようになったとのことで、レッスンを再開することになりました。
小さい頃にしっかり教わったのでしょう。読譜力があったので、Yくんの弾きたい曲をレッスンしていきました。ポピュラー曲ばかりになるのかと思いきや、「やっぱりクラシックが弾けたらカッコイイでしょ」とのことで、ベートーヴェンやショパンなどにも挑戦しました。
小学生の頃と違い、今回は自分の意志でレッスンに通っているため、意欲的で、ピアノを楽しんでいる様子が私の方にも伝わってきます。
その後Yくんは、大学受験時もほとんど休まず、就職活動が本格化するまで通い続けてくれました。きっと今でも、音楽はYくんのそばに在ると思います。
音楽には興味がないと思っていたFくんの選択
小学1年生からレッスンを始めたFくん。毎週お休みすることなく通って来てはくれるのですが、上達のペースが遅く、『お母様のご希望でレッスンを続けているのかな…?』と思っておりました。
車に興味があるようで、「僕が行く中学校には車のことを勉強させてくれる部活があるんだよ!」と楽しそうに話していたFくん。いざ中学生になって部活のことを尋ねたところ、「マーチング部に入ったよ」と言われて、私の方が驚いてしまいました。音楽には全く興味がないと思っていたFくんが、まさか部活でマーチング部を選ぶとは!
しばらくしてお母様がお見えになり、(Fくんは部活でチューバ担当になったのですが)「やっぱり2つの楽器をマスターすることは、僕には出来ない」と言うので、ピアノのレッスンを辞めさせていただきたい、と申し訳なさそうにおっしゃるのです。
私は、「たとえピアノじゃなくても、Fくんがこれからも音楽を続けるという選択をしてくれたことがとても嬉しい」とお伝えしました。そしてFくんにも、「仲間と一緒ならきっと楽しめると思うよ、がんばってね!」と発破をかけて送り出しました。
音楽の輪が広がることを願って
ピアノの上達には時間がかかる、と書きましたが、私のように専門の道へ進む選択をしない限り、一度どこかでレッスンから遠ざかる時は来ると思います。
でもいつかまた、先述のYくんのように(もっと大人になってからでも)ピアノを弾いてみたくなることがあるかもしれませんし、Fくんのように、他の楽器へとつながっていくことがあるかもしれません。
また楽器を演奏する機会はなくなっても、ピアノのレッスンを通じて『音楽を聴く耳』つまり『美しいものを美しいと感じられる心』が育っているはずです。
世の中にはステキな音楽会がたくさんあります。年に一回だけでも演奏会に足を運んでみる、そんな方がどんどん増えて、音楽の輪が広がっていくこと、それがピアノ講師としての私の願いです。
音楽が身近にあるって、良いものですよ♪
コメント