こんにちは!入間市で子ども向けピアノ教室をしております、いいじまです^^
このところすっきりしないお天気が続いていますが、この時期を過ぎるともう夏ですね。夏休み中に発表会を予定しているお教室も多いと聞きます。お子さんの発表会が近づいてきて、不安に感じている親御さんも多いのではないでしょうか?今日は、その成功のカギを握る『暗譜』についてお話ししようと思います♪
ステージ上で失敗してしまう原因
生徒さんのお父様 お母様の中には、ご自身も小さい頃ピアノを習っていたという方がいらっしゃいます。そんな親御さんとお話ししていると、「発表会がイヤでした…。」とか、「途中で頭が真っ白になってしまったんです!」というようなことをお聞きすることがあります。
確かに私も、発表会やコンクールなど、ステージ上で失敗したことは何度もあります(T_T)
原因は、”練習不足” ”練習の詰めが甘い” ということになるのでしょうが、そうは言っても、自分としては「これなら大丈夫!」と思ってステージに臨んでいるわけです。
それでもうまく弾けなかった…ということを繰り返し経験するうち、あることに気づきました。
人前で演奏するときには『覚えるための練習』が必要なんです!
覚えるための練習⁉
『覚えるための練習』といっても、発表会の曲などは、ある程度の期間弾き続けているわけですから、曲が仕上がる頃には自然と覚えていることが多いと思います。
私の教室でも発表会が近づくと、「じゃあ今日は暗譜で弾いてみようね。」とレッスンを始めるのですが、「あれ?ここの左手、何だっけ…」「何か響きが違うのはわかるんだけど、正しい音が思い出せない…」と、途中で演奏が止まってしまうことが少なくないんです。
たとえステージ上ではなくても、生徒さんにとってはご家庭と景色が違う、ピアノが違う、先生が聴いている、という状況になっただけで、それなりに緊張しますからね。
緊張していても普段どおりに演奏するためには、『あそこが弾けない、ここが苦手…』という技術的な面をクリアすることは言うまでもありません。が、実はこれだけでは先述のような状況になりがちなんです。
そこで、私が考える『覚えるための練習』のポイントは2つあります。
①左手だけで暗譜で弾けるようにする
②曲の途中から弾けるようにする
順に解説していきますね。
①左手だけで暗譜で弾けるようにする
暗譜をしようと思う時、ただひたすらに両手で通して弾く練習をしがちですね。
ピアノ曲の場合、右手がメロディー、左手が伴奏(ハーモニー)という形の曲がとても多いので、何度も弾いていれば、本番で右手を忘れてしまうということはまずないと思います。
ふとした瞬間にわからなくなるのは、大抵左手です。左手は、右手に合わせて ”何となく” 弾いてしまっているんです。ですから、その左手を覚えるための練習が必要なのです。
まず、楽譜を見ながら(間違えて覚えてしまわないように、念のためです。)左手だけで練習をします。もちろん両手で弾く時と同じように、音の強さや表情に気をつけましょう。両手で弾いていると気にならなくても、片手だと思いのほかきちんと弾けていないところが出てきたりして、良い練習になりますよ♪
それが出来たら、今度は楽譜を見ないで、同じように練習します。もし途中でわからないところが出て来たら、その時は楽譜を見て確認しますが、終わったらすぐに閉じます。楽譜を開いたままにしておくと、ついつい見てしまいますし、何となく安心してしまいますからね。

また、左手の暗譜の練習の時に注意してほしいポイントがあります。それは、
右手を動かさない
ことです。右手は膝の上あたりに置いて練習すると思いますが、この時、両手で弾いている時と同じように、右手の指も動いてしまっていませんか?その方が左手も弾きやすい、ということは、左手に意識が集中しているわけではなく、右手につられて(左手の)指が勝手に動いている状態なんです!
左手の暗譜を確実にするために、右手パートは頭の中で鳴らすだけにしておいてくださいね。
②曲の途中から弾けるようにする
左手の暗譜も出来たし、これで大丈夫!と思っていても、何が起こるかわからないのがステージです。
ピアノに限らず、楽器を演奏したり歌を歌ったりする時には、無意識のうちに 今出している音の次の音、次のフレーズを準備しています。それが、ステージに上がるという緊張感や、上手に弾かなきゃ、というプレッシャーを感じたりすると、体が硬くなったり余計な力が入ってしまって、ミスが起こりやすくなります。
さらに、周囲の雑音(例えば、お客様のクシャミ)に気を取られるなどして集中力が途切れてしまうと、次の音の準備が遅れたり、わからなくなってしまったりするのです。しかもそれは、普段何気なく弾いているところ、技術的には特に練習が必要なかったところほど、起こりがちです。
そんなアクシデントが起こった時でも、せっかく長い期間かけて練習してきた曲です、どうにかして最後まで弾き切りたいですね。そのために、”万が一” を想定した練習をしておきましょう。
万が一、演奏が途中で止まってしまったり、次がわからなくなってしまった時には、少し前に戻って弾き直すか、その先から弾き始める必要があります。ですから、曲の最初からばかり練習するのではなく、大きなフレーズ(メロディーのまとまり)の切れ目や、場面が変わったところから弾き始める練習(これは両手で構いませんが、暗譜で出来るようにしましょう)をしておくと、「ここまで練習したんだから、大丈夫‼」という自信につながります。
ステージに立って、全く緊張しない人はいないと思います。その中で、どこまで普段通りの演奏が出来るかは、練習に裏打ちされた自信があるかどうか、にかかっているのです。
発表会を通して学べること
生徒さんに発表会の話をすると、年齢が上がるにつれて「イヤだなぁ~」という声が聞こえてきます。確かに練習は大変ですが、その分学べることも多いのです。
そもそも発表会はコンクールではありませんから、他の人と比べるものではありません。発表会は、自分へのチャレンジだと私は考えています。
長い期間 同じ曲を弾き続け、しかも普段のレッスンより掘り下げていくわけですから、根気も集中力も必要です。また、少しレベルの高い曲に挑戦するとなると、練習時間もやりくりしなければなりませんね。遊びたい気持ちやのんびり過ごしたい気持ちをちょっとだけ我慢して、目標に向かって努力する、そんな心も育つはずです。
本番の演奏の出来も大切ですが、それよりも発表会当日まで どこまで頑張れたか、その過程に価値があるのだと思います。
そして子ども達自身、そうやって頑張った先に待っている、何とも言えない晴れやかな気分を知っているから、また次の年も頑張ってくれるのでしょう。やはり人前で演奏し終わった時の感覚は、一人で弾いている時とは全然違うものです。そんな ”やり切った感” あふれる笑顔をステージ袖で見るのが、私の至福の時です^^
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