こんにちは!入間市で子ども向けピアノ教室をしております、いいじまです。
我が家には小2の息子がいるのですが、家にいるとついテレビやマンガに流れてしまい…気づくとダラダラ過ごしてしまいます。
「もっと外で遊ばせたほうがいいよなぁ」と思いつつ、毎日付き添うのは難しい。そんな事情もあり、少しでも体を動かしてほしくて“縄跳び”を日課にしていました。
ところが先日、息子がインフルエンザに。4〜5日縄跳びをお休みしたあと再開してみると——
「あれ? うまく跳べない!」
本人も驚くほど、できなくなっていたんです。
やっぱり“続けること”って大事なんだね…と親子で実感した出来事でした。
そしてこれは、ピアノの練習にもまったく同じことが言えます。
短い時間でも、できるだけ毎日楽器に触れること。
それが、子どもの「できた!」につながり、次のレッスンもグッと楽しくなります。
とはいえ……
「毎日なんて、なかなか時間が取れないんです…」
このお気持ちは、本当によく分かります。子育てはイレギュラーの連続。急な病院、忘れ物、仕事の予定——練習できない日があるのは仕方がないことです。
だからこそ、今日は「短い時間でも前回のレッスンを思い出せて、楽しく続けられる方法」について、実際の生徒さんのエピソードを交えながらお話しします。
「先週できたはず」が、うまく弾けない
レッスンを始めて半年ほどのHちゃん(5歳)。
お母様は保育士さんで、平日はとても忙しそうです。導入期の曲はまだまだ本格的な練習を必要としない曲ばかりですから、最初は少しペースがゆっくりかな?という程度でした。
ところが、テキストが進んでいくにつれて、少しずつ気になることが出てきました。
導入期の生徒さんは、当然ですが譜読みができません。
そのためレッスンでは
「今日やったところを、おうちで復習してね」
という形でお願いしているのですが…
Hちゃんの場合、
「先週できたところが思い出せない」
ということが増えてきたのです。
新しい曲に入るときも、歌詞やドレミで何度も歌ってから弾くようにしています。Hちゃんも歌うのは大好き。
でも、いざ鍵盤に手を置こうとすると——急に表情が硬くなってしまいます。
「レッスンは上手に弾けないところを直す場所だからね。いっぱい間違えていいんだよ!」
そう声をかけても、
指が思うように動かないことがイヤなのか、
間違えるのが恥ずかしいのか、
なかなか鍵盤に手が出てきません。
(最近は“間違えるのが恥ずかしい”という子が増えているように感じるのですが、気のせいでしょうか…。)
Hちゃんには2歳の弟くんがいて、レッスン中お母様は部屋の外に出られていることが多い状態。
もしかしたら、Hちゃんの “弾けないつらさ” をご存じないかもしれない…と感じました。
このままではピアノが楽しくなくなってしまう。
そこで、お母様に少しお時間をいただき、お話しすることにしました。
週1〜2回のまとめ練習では、どうしても忘れてしまう
お母様も気になっていたようで、
「やはりそうですか…」
と心配されていました。
平日は時間が取れず、練習は土日のみ。
・土曜のレッスン後
・日曜日
この2日間は楽しく練習できるそうです。でも月〜金の5日間空いてしまうため、次の土曜にはすっかり忘れてしまうのです。
小さな子は、時間があくとすぐに忘れてしまいます。
譜読みができるわけでもないので、楽譜だけを見て思い出すこともできません。
「平日に、ほんの少しだけでも練習するのは難しいですか?」
とお母様に伺ってみると、
「仕事から帰って、食事の準備・お風呂・夕飯…とバタバタしているうちに、音が出せる時間じゃなくなってしまうんです。」
たしかに、その通りです。
でも何か方法を見つけないと、Hちゃんのピアノが “楽しいもの” ではなくなってしまう。
そこで私は、音が出せなくてもできる練習を提案してみました。
音が出せなくてもできる!平日向けの練習方法
① 曲をたくさん歌う
忘れないことが何より大事です。
歌詞でもドレミでもOK。歩きながらでも、お風呂でもできます♪
② テーブルで “弾きマネ” をする
音が出ないので気楽にできます。
指づかいを確認しながら、ドレミで歌うとさらに効果的。
レッスンでも、鍵盤のフタを閉めて “弾きマネ” を取り入れています。
特に
・積極的に弾きたがらない子
・自信がまだ育っていない子
にはとても効果があります。
③ 1曲ずつでもOK
レッスンでは、新しい曲、少し弾けるようになった曲、仕上げの曲、という感じで同時に2~3曲扱っていますが、
毎日すべての曲を弾くのが難しいなら、
・今日はA
・明日はB
という形でも十分です。
少しずつ戻ってきた「弾く楽しさ」
お母様のご協力もあり、Hちゃんは少しずつ “弾くのが楽しい” という気持ちを取り戻していきました。
もちろん、練習すればするほど上達するのは確かです。
でもピアノには、「◯年でこのテキストを終わらせる」「◯年でこのレベルに到達する」といった明確なカリキュラムはありません。
だからこそ、生徒さん一人ひとりのペースを大切にしながら進めていけるのだと思っています。
生徒さん一人ひとり、状況も環境も違います。
その子のペースで進めばいい、と私は思っています。
そして親御さんには、
「他の子ではなく、お子さんの3ヶ月前・半年前・1年前と比べてあげてくださいね」
といつもお伝えしています。
ピアノは “自信を育てる” 習いごと
子どもに何かを身に付けさせるのは、本当に根気が要りますね^^;
冒頭でお話しした息子の縄跳びも、最初は不器用でなかなか上達せず、私もどうやって教えたものかと、かなり手こずりました。
でも少しできるようになると自信がつくようで、
「○○くんは100回跳べるんだって!ぼくもできるかな?」
と、自分から練習するように。
ピアノも同じです。
習い始めはご家庭のサポートが欠かせません。
でも少しずつ、自分の力で練習できるようになります。
「ちょっと弾けるようになった曲は自分でやるから、新しい曲だけ手伝ってね!」
そんなステップを目指して、私もレッスンしています。
子どもたちが「弾けた!」「できた!」を積み重ねていけるように。
ピアノが、日常の中で小さな自信を育てる存在でありますように。
今日もそんな想いで、レッスンしています♪
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