こんにちは!入間市で子ども向けピアノ教室をしております、いいじまです。
「ピアノを習って得られるのは、演奏力だけ?」
実はピアノには、子どもの心を育て、そっと支える力もあるんです。
今回は、ピアノを通して見えてきた、子ども達の小さな成長や心の変化について、実際のエピソードを交えてお話ししたいと思います♪
レッスン室で見える、子どもたちの日常の表情
「うちの子、ご迷惑おかけしていませんか?」
ときどき、親御さんとのやり取りの中で、こんなご質問をいただくことがあります。
そのお気持ち、すご~くよくわかります(笑)。私にも小2の息子がおりますが、家ではダラダラ、母親の話は右から左…。宿題は何とかこなしているものの、こんな調子で学校では一体どうやって過ごしているのやら?と、心配は尽きません。
私のピアノ教室でも、はじめのうちは親御さんも一緒にレッスン室に入っていただいていますが、そのうちお子さん一人でレッスンを受けるようになります。お迎えにみえた親御さんに、今日のレッスンの様子などをお伝えするのですが、その時に先ほどのようなご質問をいただくわけです。
まだ小さいうちは、「ちゃんと座っていますか?」「先生のお話は聞いていますか?」などが多いですが、年齢が上がるにつれて、「生意気なこと言ってませんか?」というように、お母様の心配の中身も変わってきます。
私はこういうご質問には、「大丈夫ですよ。よっぽど困った時はご連絡しますから!」とお返しします。子ども達はその子なりに ”外の顔” をしてがんばっているのです。
靴をそろえる、レッスンの前に手を洗う、楽譜を準備する、バッグは荷物入れに入れる、など本当に些細なことですが、今までお母様にやってもらっていたことを、一人で出来るようになることは、それだけでも大きな成長です。私もはじめのうちは、声をかけたりお手伝いしたりしますが、いつの間にか何も言わなくてもやってくれるようになります。
また一人でレッスンを受けるようになると、その子本来の姿がよく見えてきます。学校のこと、友達のこと、おうちでの過ごし方、他の習い事のことなど、ちょっとした雑談の時間を、私はとても大切にしています。この子は今何に興味があるのか、どんなことで嬉しくなったり悲しくなったりするのか、など、レッスンを進めるうえでヒントになることがたくさんあるからです。

先生だから先に気づける、子どもの“揺らぎ”
そんなふうに子どもの様子を察していると、時に親御さんより先に変化に気づくことがあります。
ピアノを始めて5年ほど経ち、演奏力も伸びてきたMちゃん(小4)。もう少し視野を広げてみようということで、前年小さなコンクールに挑戦しました。初めてということもあってか、思うような演奏ができず、惜しくも入賞を逃してしまいましたが、今年こそは!と張り切っています。
「そろそろ課題曲が発表されるからね。」と伝えると、嬉しそうなMちゃん。数週間後、いよいよ課題曲が発表になったので曲選びを始めようと声をかけたところ、「今年は(コンクールに)出ない。」との返事が。これはどうしたことでしょう!おまけに何だか元気がない様子…。
さすがに何かおかしいと思い、レッスン後にお母様に連絡しました。
「うちの子、そんなこと言ってましたか⁉」お母様も寝耳に水だったようです。Mちゃんとよくお話ししてみてくださいとお願いして、その日は電話を切りました。
次の週のレッスン前に、お母様から「ご心配おかけしてすみません。無事に解決しました。」とご連絡をいただきました。
どうやら別のおけいこ事の方で、お友達とボタンの掛け違いがあり、そのことでピアノの方もやる気をなくしてしまったそうなんです。
お友達とのトラブルが解決し、やる気が戻ったMちゃん。その年のコンクールは見事、入賞できました。
ピアノが“心の静まる場所”になることも
また、家庭でも学校でもない『居場所』があるというのは、子ども達にとって良い影響があるようです。
いつも元気で、体を動かすことが大好きなNくん(小4)。サッカーの練習の合間にピアノの練習をしている感じで、進度は決して速くはありませんでしたが、音楽は好きなようで休まず通ってきます。
三兄弟の一番上、日々お兄ちゃんとしてもがんばっていますが、そろそろ難しいお年頃になってきました。お母様ともいろいろやり合っているようです。
レッスンに来るなり「お母さんに言い返したい!」と言ってみたり、うまく弾けない自分にかんしゃくを起こしたり…。
私もどうしたものかと対応に悩みましたが、「まぁそんな時もあるよね…」と声をかけて落ち着くのを待ったりしながら、少しずつレッスンしました。

ピアノというのは不思議なもので、ムシャクシャした気持ちで弾いていても、いつの間にか心が静まってくるのです。レッスンが終わる時には、「ありがとうございました~」と笑顔も見せながら帰っていくNくん。
そんな日々がどのくらい続いたでしょうか。学年が変わった頃、ふと「あれ?そういえば最近かんしゃく起こさなくなったかも⁇」と気が付きました。
しばらくしてお母様にそのことをお話しすると、「そうなんです。すっかり落ち着いてくれました。ピアノがあってよかったです。」と言っていただけました。
ピアノと先生が、小さな心に寄り添う
今は本当にさまざまな習い事がありますね。でもピアノのように、一対一でレッスンを受けるようなものは少ない気がするんです。
もちろん集団の中で学べる事、身につく力はたくさんあります。ですが、一対一だからこそ出来ることがあると思うのです。
親御さんと違って、お子さんと週に一回しか会わないからこそ気づく変化があります。穏やかに話ができます。『もうそんなこと言うようになったんだね』と成長を感じる瞬間があります。
お子さんにとっても、親御さんとも学校の先生とも違う、自分のことをよく知っている大人がいるということは、時に安心につながったり、考え方が広がったりもするのではないでしょうか?
これからもレッスンを通して、子ども達のそんな『小さな成長』を、そっと見守っていけたらと思います♪

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